こんにちは。山形県酒田市の行政書士アドバンス総合事務所の中山です。
民法では、相続人を、配偶者、直系卑属(子や孫)、直系尊属(父母や祖父母)などに限定しているため、被相続人に相続人がいないという場合も有り得ます。
この場合、相続財産管理人が専任され、公告によって相続人の搜索が実施されます。戸籍上は相続人でなくとも、未認知の子がいる場合などがあるからです。
相続権はないものの、被相続人と一定の関係にあった第三者が、家庭裁判所に申し立てをして認められれば、「特別縁故者」として、相続財産の一部あるいは全部について、財産分与を受けることができます。この場合の第三者には、内縁の妻や叔父・叔母、従兄弟、被相続人の看護に務めた人(あるいは団体)、事実上の養子関係にある者なども含まれています。
結局、相続人が発見されず、特別縁故者に分与された財産が残った場合には、国庫に帰属することになります。
特別縁故者として、財産分与を認めてもらうには手間も時間もかかるため、お世話になった人には、やはり遺言書を書いておくほうがいいと思います。