孫に全財産を譲りたいとき

2015年11月29日

こんにちは。山形県酒田市の行政書士アドバンス総合事務所の中山です。

 被相続人に配偶者、子がいる場合、孫に相続権はありません。孫に相続権があるのは、被相続人の子が次の状況にある場合だけです。
① 相続開始前に死亡している場合
② 相続欠格者である場合
③ 相続人廃除になっている場合、以上三つの場合、孫が親の相続権を引き継いで代襲相続人となります。したがって、代襲相続人の地位がない孫に財産を譲りたいのであれば、遺言を残して遺贈するしか方法はありません。
 特に全財産を遺贈する場合は、ほかの相続人の遺留分を侵害するのですが、ほかの相続人から遺留分減殺請求がなされない場合は、遺言どおり、全財産を孫が相続することになります。ですから、遺言者は生前に、孫に全財産を遺贈する理由を、ほかの相続人によく理解してもらうよう努めることが大切と思います。
 また、下記の方法で、無用の争いを防ぐようにすることもできます。

1.孫を養子にして相続権を与える。

2.遺言者の生前に、ほかの相続人に遺留分を放棄してもらう。ただし、遺留分の放棄は、遺留分権利者の自由意思によって、権利者本人が、家庭裁判所に遺留分放棄許可の申し立てをする必要があります。

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